☆猫星人SOSUさん [Profile 静岡県に住む王子のオスの方] 投稿日:2001/4/25(水)
「……ふっ、これが最後になるかもしれないな、、、。」
地球とのファーストコンタクトを終え、ポツリと呟いた。
それはまるで、自分の死が近づいている事を悟っているかの様でもあった。
戦いの準備を終え、一歩一歩戦場へと突き進む。
…この星を脅かす白いイタチのもとへ、、、
薄暗い通路から、眩しい光が立ち込める世界。
それが、生と死の境界線。
だが、その一歩に手足を踏み入れる。何一つ迷いも躊躇いも無かった。
外へ飛び出すと、ふと、後ろを振り向く。
もう、二度と見る事が出来ないかも知れぬ自分の育った町並を目に焼き付ける為に……。
しばらく目を閉じると、今まで生きていた出来事が走馬灯の様に駆け抜けていった。
やがて、閉じた目を開けると意を決意し再び歩き出そうとした。
…その時。
「待ってっ!!」
後ろから呼び止める声がした。若い女性の声だ。
そう、この声を忘れるはずが無かった。
「…純菜。」
声のする方へ踵を返すとやはりそこには一匹の雌猫がいた。
「たこ焼きやじゅんじゅん」でアルバイトをしている女の子だ。
純菜とは何度も店に通う内に話すようになり、何時しかお互い愛するようになったのだ。
「…行っちゃうニャ?」
純菜がゆっくりと近づいてくる。とても、重い足取りで、、、
「…ああ」
「嫌…ニャ…」
頬を摺り寄せながら純菜は哀願した。だが、そんな純菜から頬を離し背を向けた。
「行かなくてはならないんニャっ!!」
わなわなと、身体を振るわせ叫んだ。本当はずっと傍にいてあげたい。
だが、そんな気持ちを押し殺して言葉を続けた。
「俺は、戦士ニャ!戦わなくてはならない・・・。アイツが、、、白いイタチがいる限りこの地に安らぎがないんニャ!」
「・・・わかってくれ。」
「…死なないよね。」
純菜が呟いた一言、ずしりと心の奥に響いた。
言われるまで、忘れかけていた恐怖が頭の中をよぎる。
死いう言葉を断ち切るかのように頭を何度も振っていた。
そんな時、純菜から思いもよらない一言が耳の中に入ってきたのだ。
「生きてっ!!生きて帰ってきてっ!!!そして、、、、」
「私を、、、ううん…私達を幸せにしてニャ…」
一瞬、時が止まったかのようだった。頭の中の闇が再び光の変わったみたいな感覚。
そんな希望に溢れる光が目の前を明るくした。
「じゅ、純菜?!・・・わ、私達って、、、もしかして?」
「うん」
慌てて、純菜のお腹辺りに耳を近づける。
トクントクン。
それは、紛れも無い生命の鼓動だった。
「貴方と私の赤ちゃん」
「俺に子供が、、、」
耳を純菜のお腹から離し、頬と頬を摺り寄せながら喜びを表した。
何度も何度も、、、、そして、何時しかお互いの目からは一雫の涙が零れ落ちていた。
強張っていた表情が取れ穏やかな顔に戻っている。
もう、迷いも躊躇いも無い…そんな表情をしていた。
俺は、死にに行くんじゃない、勝って戻ってくるんだ。そう頑なに決意していた。
「純菜、誓うよ、、、、生きて戻って来るって…。」
「絶対・・・?」
「ああ、約束するっ!!この、シッポの名に掛けて、、、」
そう、純名に言い残すとしっぽを立てながら走り去っていった。
彼の待つ戦場の場へと…
平和を脅かす白いイタチの元へと…
再び、帰って来る為に…。
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子猫の元に帰ります。