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『たこ焼きから始まる物語』第ニ話

☆猫星人SOSUさん   [Profile 静岡県に住む王子のオスの方]  投稿日:2001/5/7(月)


 あの、忌まわしい出来事からはや、30年の月日が経っていた。

 荒れ果てていた町並みも今やすっかりと復旧しており、人々は平和の毎日を過ごしていたのだった。
 当時、食べ物も少なく、人々は飢えという苦しみを味わっていたのだ。
 そんな中、人々の為に食べ物を提供していた人物がいたのである。

 ―そう、その猫こそ『たこ焼き屋の純菜』その人であった。

 最初は、食料を提供して各地を廻っていた純菜だったが、町が立ち直るにあたってまた、お店を開く決心をしたのだ。
 それを聞きつけた人々はこの店を知り売上は上々。アレよアレよという間に2号店、3号店と次々と各地に広まっていったのであった。
  その、たこ焼き屋じゅんじゅんも今や、誰もが知っている有名なチェーン店になっていた。
 その店舗・・・約2000店にも及ぶ。
 そして、これは新しく出来た『たこ焼き屋じゅんじゅん』2001号店を経営する少年。
 純菜の孫息子…純一の愛と情熱のたこ焼き物語である。


 「らっしゃーい!」
 店内に純一の声が響き渡る。
 朝10時に開店したのにも関わらず早くもたこ焼きを買いに来たお客さんがいる。
 それだけ、この店の評判がいいと言うことだ。
 「純ちゃんたこ焼き一つくれよ」
 「あいよ」
 いつもの常連客だ。純一は一つ返事でたこ焼きを焼く準備をする。
 このたこ焼き屋は注文を受けてから焼きに入るのだ。けして、造り置きはしない。
 いつも新鮮アツアツのたこ焼きを食べて貰う、これこそこの店の売りだからである。
 純一は朝一番に仕込んでおいた水で溶いた小麦粉を球形の型に流し込む。
 そのアツアツの鉄板からはジュジュジュ―ッという音とともに湯気があがる。
 そうかと思うと、純一は目にも止まらぬ速さでタコ、ネギ、紅生姜をその中に放り込む。
 「ひゅうー♪」
 あまりにもの華麗な技に常連の客でさえ思わず口笛を吹く。
 「おみごと!!」
 「ふふ〜ん」
 純一も思わずにんまりと笑みをこぼす。
 それも一瞬のつかのまだった。
 「だだだだだだだだだだだあああああぁぁぁぁーーーーーーーっっ!!!!」
 その、手にはたこ焼き用の鉄串が握られており球形の中の小麦粉目掛けて刺していった。
 液状の小麦粉は純一の鮮やかな技により見事にその姿を球状に変わっていく。
 くるっくるっくるっ、、、
 瞬きする暇もないくらいの素早さに客も声をあげる。
 「おおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!」
 張り上げる声はその客一匹だけのものだけではなかった。
 いつのまにか数十匹もの客たちが店いっぱいに集まっていたのだ。
 どうやらたこ焼きを焼く音と独特の香ばしい香りに吊られて客が店に入ってきたのだ。
 「さぁ、仕上げにいくよ〜」
 たこ焼きを紙で出来た箱の中に次々にならべると刷毛を取り出し出来上がったばかりのそれにソースを塗り込める。
 そして、ガシッと、両腕をクロスすると二つの容器のなかに手を突っ込むと。
 「それ〜っ!!」
 たちまち、緑と茶色の彩りがたこ焼きの上に覆い被さった。
 鮮やかで美しい光景に客からの歓喜の声が店の中に響き渡る。
 それと同時に、青海苔と削り節の何とも言えない美味しそうな匂いとソースの香ばしい匂いが混ざりあって絶妙な香りが店一杯に立ち込めた。

 「さあ、食べてみてよ!ばあちゃん直伝純一風たこ焼きの完成だぁ〜!!」
 待ってましたと言わんばかりに客はたこ焼きの入った器を手に取ると、爪楊枝でたこ焼きをさす。思わず集まって来た客から、、、
 「ゴクッ…」
 生唾を飲み込む音が多数きこえていた。
 そして、爪楊枝で刺したたこ焼きを口の方へ運んでいく。
 「あ〜ん」
 純一は満面の笑みで客が食べてくれるのを見届ける。
 「出来たてだから気を付けて食べ、、、」
 「あっちぃい〜〜〜〜〜〜っ!!!」
 「・・・てね。―って言ってるそばから、、、」
 ドッと、周囲から笑い声がする。この店にはいつも笑い声が絶えない。
 客たちとコミ二ケ〜ションをモットーとするこの店ならではのやり方。
 それこそが、何倍にも味を美味しくさせるたった一つの隠し味。
 ばあちゃんから教わった秘密の調味料。

 「さあ、どんどん焼っくよ〜っ♪」

 「おお、おれにも一つくれ〜」
 「わたしも〜」

 ばあちゃん、オレこの店を大切にするからね。
 そして、ばあちゃんよりも、もっともっとオレの作ったたこ焼きをみんなに食べてもらうんだ。

 「よっ!ミスターたこっ子!!」

                  続く、、



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     『まじかる☆順にゃン』序章



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   子猫の元に帰ります。



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